優れた本との巡り合い

少年時代に先生や友人や親類の人などから、何かを学び取り、それによって自分の生き方が方向づけられることがあります。

もしも、あの人に会わなかったら、自分の進んだ道は、別の方向だったかもしれないし、もっと別の人間になっていてかもしれないと、大人になってから、自分を振り返ることがあります。

そういう巡り会いは、生きた人間に限ったことではありません。1冊の優れた本に巡り会うことが、その人の目を未来に向かって開かせ、その後の生き方を決めさせることもあるのです。

優れた書物は、日本だけでなく、共通語の英語で書かれた書物の中にも、たくさんあります。

アンリ・ファーブルが、科学者としての自分の一生を決めたのは、レオン・デフュールという人の書いた、はちの本を読んだ時だと言われています。

ファーブルは、この時のことを、年老いてから懐かしく思い出し、その著書の中で、それは、暖炉に入れた薪に火をつけだようなものだったと言っています。

顔が一人一人違うように、人の心も様々です。ある人を感動させた本が、同じように別の人を感動させるとは限りません。自分の心にぴったり合った優れた本に巡り会うことが、大切なのです。

私たちは、常に自分に合った本を求めて読書する心がけが必要です。優れた本との巡り合いは、自分の生き方を求めている人たちに、約束されたご褒美だと言えるでしょう。

自分嫌いな人も、自分を見つめ直すことができます。

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